2017年4月19日水曜日

反古

   反古

これを最後の手紙にしたい
少なくとも君と俺との間ではね
俺は俺の筆不精をすまないと思つてゐる
だが友だち! 俺たちの愛や友情について
いつまでもくどくど書きたてることに熱中するよりも
やらなければならない十倍も二十倍ものことが眼の前にあるのだ
あらゆる場合のあらゆる言葉が俺たちの親愛の表示でなければならないなんてまつたく不生産的な話ではないか
君も俺もこの感じ易い泣虫の心臓にブレーキをかけやう、グイと
そして俺たちは希望に燃えて俺たちの一歩前を歩いてゆかう
俺は君を忘れてゐられる
俺はしぶとくがまんできる
病気するな
俺たちの力でどうにもならぬのはこいつだけだ。


『学研全訳古語辞典』によれば、「反古」(ほご、ほうご、ほぐ)とは、
①書画などをかいて不用となった紙。書き損じの紙。ほご紙。源氏物語(浮舟)に「むつかしきほぐなど破(や)りて」
=(死後まで残しておいては)めんどうな書き損じの手紙類などを破って。
②無駄。不用になったもの。仮名忠臣蔵に「ほぐにはならぬこの金。一味徒党の御用金」=無駄にはならないこのお金。同志の仲間の御用金にと。
とあります。

*「やくそく」と「反古」は、いずれも、余分なものを一切切り捨てて戦おうという叫びであるが、どこか客観的でどこか明るい感じがする。《安》

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