2017年5月16日火曜日

葦の地方(三)

   葦の地方(三)

あの人は
たいそうよく稼ぐんですよ と
お母さんは云つてゐる。
こんなところに住んでゐなさるが
それはなかなか偉いんだつて。
僕もその人を知つてゐるが
僕はあんなに真赤に地灼けした顔の人を見たことがない。
いつも火の傍にゐると
ああなるんだつて
母さん、しってる?
どんな火だらう。


バチバチ火花を散らせる溶接作業は、熱いだけでなく危険なのは溶接器から出ている紫外線や赤外線です。眼球や肌に重いダメージを与え、肌の奥まで浸透してシワやガンの原因にもなります。

「あんなに真赤に地灼けした顔の人を見たことがない」というのは、電気溶接による紫外放射によって皮膚炎を起こしたのでしょうか。

紫外放射による皮膚炎は、皮膚が赤くなる、水ぶくれが生じるといったもので、日焼けと基本的には同じです。ふつうは数日程度で自然に消えますが、重くなると表皮が剥け落ちることもあります。

溶接の光から、目や皮膚を守ってくれるのが「遮光(ヘルメツ)面」なのです。

*そこで働いている人の顔は真赤に地灼けしているのだが、子どもはそこで燃えている「火」はどんな火なのだろうかと不思議がる。《安》

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