2017年7月26日水曜日

信号所の上

   信号所の上

深夜。
どこからか
はげしい連絡者をひびかせて
希硫酸。希硝酸。ベンゾールのごときものがとびきたり
矢のように下をすぎ去る。
そびえる構内燈の照明の中は
うずまく翅虫。


「信号所」=写真、wiki=は、「専ら列車の行き違い又は待ち合わせを行うために使用される場所」つまり、鉄道路線で分岐器(ポイント)や信号設備が設けられていて運転扱いするものの、旅客や貨物の取扱を行わない停車場をいいます。

最初から信号所として設置された場所のほか、旅客扱いをはじめて信号所から駅に変更されるもの、逆に旅客・貨物扱いをやめて駅から信号所に変更される例もあります。JRの信号所の大半は在来線区間に位置しています。

「ベンゾール」は、炭素原子6個が正六角形の6員環をなしている典型的な芳香族化合物。特有のにおいをもつ無色透明で可燃性の液体で、煤の多い黒い煙をあげて燃えます。その蒸気は有毒で、大気中のベンゾールは有害大気汚染物質と定められ、長期間吸収すると造血器の障害などをおこします。

*この作品は『重油富士』巻頭の作品「虫の声」同様「希硫酸。希硝酸。ベンゾールのごときもの」をいかに受けとめるかにかかっている。「虫の声」では旅行途中の車中からみているが、この作品では信号所の上からみている。《安》

0 件のコメント:

コメントを投稿